酸素カプセル購入ガイド
「酸素カプセル」以外の呼び方として
・高気圧酸素カプセル・高圧酸素カプセル・高濃度酸素カプセル・加圧酸素カプセル・高圧酸素カプセル
・エアチャンバー・高気圧チャンバー・高気圧エアチャンバー・高気圧エアーカプセル・加圧カプセル
・空気カプセル・ベッカムカプセル・O2カプセル・O2セラピー・酸素ボックス etc...
・第一種高気圧酸素治療装置(医療機器)
・第二種高気圧酸素治療装置(医療機器、2人以上大型)
など多数ありますが、総称として「酸素カプセル」と呼ばれています。
※稀に勘違い・知識不足なのか分かりませんが、加圧しない(通常気圧1気圧)で
酸素部屋・酸素ルーム・酸素カプセルルームを「酸素カプセル」と呼んでいる1部のメーカーも
いますが無視します。
現在、酸素カプセルは大きく「空気加圧」と「酸素+空気加圧」に分類されますが、特に「空気加圧」の場合は
「液体に溶解する気体の量は気圧に比例して増える(=ヘンリーの法則)」を前提とした理論を用い、カプセル内の
気圧を高めることで、血液中に溶解する酸素量を増加させていると説明されています。
販売業者サイドでは、空気加圧カプセルは酸素加圧と差別化を図る為、「酸素カプセル」を特別な呼び方で
販売しているケースもあります。
空気加圧の製品は「エアーチャンバー」「高気圧チャンバー」「高気圧エアーチャンバー」「高気圧エアーカプセル」と
いった呼び方があり、特徴としては「空気カプセル」は外気(空気)をカプセル内に送り込み、外気(空気)でカプセル内の
気圧を1.2・1.3気圧まで上げ「※酸素濃縮器・発生器」を一切使用しない(カプセル内の酸素濃度を上げない・内部で
高濃度酸素を吸わない)カプセルとなります。
【空気カプセル】
販売年数は長く、国内で最も利用されている酸素カプセルです。ハード(鉄・アルミ製)タイプに比べ、ソフトタイプの
多くは手動式で、クーラー機能等は無いものが殆どの「カプセル内の気圧を上げる」といったシンプルな造りです。
特にソフトタイプはハードタイプと違い、軽量で持ち運びが可能ですので、プロスポーツ選手やアスリートなどの
遠征時などに利用されています。
最近では、気圧を1.1~1.2気圧程で価格も100万円台の持運びが簡単で、家庭でも利用できるコンパクト・軽量タイプも
販売されています。
但し、酸素カプセルの使用時に「暑い」とよく言われますので、クーラー(エアコン)が無い簡易型やソフトタイプの場合
特に“暑さ対策”が必要となります。
【酸素カプセル】
基本構造は空気カプセルと同じで、空気加圧に高濃度酸素を追加した酸素カプセルです。
高気圧、高酸素カプセルともいい、高濃度酸素を追加することにより
1.カプセル内の酸素濃度を上げる
2.カプセル内部で高濃度酸素を吸入する
3.カプセル内の酸素濃度を上げながらの酸素吸入
特別に酸素吸引の為のマスクをする訳ではありませんので、2の場合であっても、結果的にカプセル内の
酸素濃度が上がり事になります。
現在、新しく販売される製品は酸素を使用するタイプが多く、手動式からオートコントロールやクーラー(エアコン)付きや
オプション機能も豊富になり、より安全で快適をコンセプトとした製品が主流になりつつあります。
価格はハードタイプの場合、定価400万円前後で、実売価格は300~350万円と言われ、その他ソフトと違いとしては
『運搬・設置費用」として10~20万程の費用が別途で必要となります。
では実際に濃縮酸素を使用しているカプセル内は、何%まで酸素濃度が上がるのでしょうか?
各メーカーから発表されている酸素濃度として、現在は30~90%と大きくバラつきがあります。
しかしここで重要なのは、「酸素濃度」だけではなく「酸素流量」が大きく関連しています。
極端な例ですが、お風呂でのシーンを例にしてみます。
浴槽を『カプセル本体』お水を『空気』濃縮酸素を『お湯』として考えてみます。
今、浴槽は空で、お水が張っていきます。お水の温度は21度です。
※21度⇒21%は大気中の「酸素の割合」として例えていきます。
『お水が21度では(空気中の酸素濃度)、最初はかなり冷たい水です。
温めたいので(酸素濃度を上げたいので)、横から蛇口をひねりお湯(酸素)を追加して行きます。
更に早く温度を上げようと、出てくるお湯の温度(酸素)を50度に(酸素濃度)を上げてみました。
それでも足りないので、蛇口をさらにひねり、勢い良く(流量UP)、熱いお湯(酸素)を追加して行きます。
数分経過した時点で、浴槽からお水が溢れ出しました。カプセルに例えると設定気圧まで達した状態です。
浴槽のお湯は満タンになり溢れています。
しかし、まだ温度(酸素濃度)は思ったより温かくなっていない感じがします。(濃度が上がってない)
更に5分経過して、気持ち温まった気がする程度。おかしいと感じ、温度を確認すると23度前後。
良く考えてみると、お湯の吹き出し口の横から出ている、お水(空気)がお湯(酸素)よりも勢い(流量)良く流れ込んで
いる為でした。※普通のお風呂ではすぐ気が付くと思いますが・・・
しかし、お水は止めること(加圧をSTOPする)は出来ません。止めると、浴槽全体のお水の量も減ってしまう
(カプセル内の気圧が下がる)のです。結果的に30分後、50分後でも「温度は25度までしか上がらなかった」
となります。』
実際に業務用の酸素カプセルで使用している酸素発生器・酸素濃縮器は、3~12L程度です。
濃縮酸素は、カプセル内に別ホース(ルート)で追加している機種が殆どです。
特に酸素カプセルの構造上、ポンプで空気を送り込む加圧方法を採用している為、気圧が最高点に
達成するとカプセルの弁(排気口)から余分な空気が排出されます。
これには、内部の空気を入れ替える(循環)役割もあります。
よって、カプセル内の「容量」を超えると、空気も濃縮酸素も同時に排出されてしまっているのです。
上記に記述した様に、「流量」にもよりますが、カプセル内の酸素濃度は概ね「22~30%前後」で、更にそれ以上に
酸素濃度をあげる場合は、酸素濃縮器(濃縮酸素)を数台追加するか、より酸素濃度を高くし加圧に使用する「空気」の
量以上の「濃縮酸素」を注入するしかありません。
『酸素濃度80%の高性能酸素発生器付きの酸素カプセル!』の場合、「酸素流量は?」と必ずチェックして下さい。
3L程度(可変)なら、『酸素濃度40%・流量5Lの酸素濃縮器付きのカプセル』とカプセル内部の酸素濃度の違いは
殆んどありません。また一般販売されている「吸入型・酸素発生器」も同じです。
口又は鼻からの酸素吸入時に空気(外気)も同時に吸い込み実際に口・鼻→肺に入った時点で酸素濃度は薄くなります。
カプセル内部の酸素濃度を上げたい場合は「流量」がポイントです。
あくまで「高濃度酸素」を期待するなら、酸素発生器はより酸素濃度が高く、「流量」も大きくする必要があります。
現在、販売されている酸素カプセルは、高度医療機器の様に「爆発の危険性の高くなる高濃度状態や高気圧2.0気圧以上」
とまでは、費用面や気圧については自主規制(1.3気圧まで)もあり、現時点でそこまで流量の大きな大型で高価な
酸素発生器を採用している酸素カプセルメーカーはありません。
どうしても、カプセル内部の酸素濃度を上げたい場合は、業務用の大型酸素濃度30%以上、流量10L以上は最低必要です。
くれぐれも「当店の酸素カプセルは60%の酸素を使用しています!60%の高濃度酸素が充満しています!」
と宣伝すると嘘になりますのでご注意下さい。
厳密にはカプセル内で酸素濃度計で測定し「カプセル内の酸素濃度が60%」もありえますが、それは酸素噴出し口で
測定しているからであり、カプセル内部の空気出口(多くは足元付近)の場合は、+α5%以下で、中心辺りで測定して
5%~10%でしょう。平均値としてカプセル内部のどの場所で測定するかによって大きく変ります。
どちらにせよ酸素カプセル内部の酸素濃度は、【実際は数%】程度しか上がっていません。
「ヘンリーの法則」の説明と「暑さ」対策
酸素カプセルを利用されているお客様の殆んどは、単に酸素カプセの中は「酸素濃度が高い」と思われていますので
「エアーチャンバー」「高気圧エアーカプセル」の場合は、後々トラブルにならない様にお客様に対して「大気中の
空気のみ」でも“溶解酸素”を増加させることで効果が得られる(ヘンリーの法則)事や「空気加圧」と「酸素+空気加圧」
の違いを詳しく説明する必要があると思われます。
これは、酸素カプセルを理解する事に加え、新型のタイプに多い「高濃度酸素器付き酸素カプセル」が近隣のお店に
導入された場合の対策です。またクーラー機能(エアコン)が付いていない場合も同様です。
酸素カプセルの多くは、加圧の際に外気を吸い込み、ポンプでカプセルに空気を送り込んでいる為「熱」が生じます。
その温まった空気で加圧する為、カプセル内部の温度が上昇し暑くなります。特に回転率の高いお店の場合、連続運転
によるポンプ自体が「熱」を持ってしまうと、さらに内部が暑くなります。
そうした「不快感」を和らげる対策として、カプセル専用に別室を設け室内温度を数度下げたり、外気の吸い込み口
付近に、エアコンを置くなどの処置をします。また、冷却装置(ラジエーター)が無い機種の場合、ポンプを直接冷す為に、アイスノンの様な保冷剤を加圧ボックス内に詰めたり、お客様に直接アイスノン等を利用して頂く事で完全では無いですが、多少は緩和されます。
近年、冷風機付きの酸素カプセルも販売されてますが、冷風機は「強・中・弱」と温度調整が効かず役に立ちません。
逆に湿度が上がり「汗だく」を招く可能性があります。
但し、酸素カプセルでは使用した経験のある人には解りますが、加圧により血行が促進され「お客様自身の体温も上昇」
します。またカプセルに入る直前の状態(体温)でも違いは生じます。仮に、お客様が遠くから歩いて来られた場合と
車で来られた場合では大きく違いが出ます。当然季節によっても、利用前の状況に違いは生じます。
元来『酸素カプセル』はリラクゼーション機器でもあります。数あるお店の中から選ばれて、ご予約して頂き
遠方からわざわざ足を運び高い料金を払って50~60分入って体感後の感想が
「暑い」「汗だく」「我慢」「耐えた」「耳が痛い」「うるさい」
であれば、「癒し」からは程遠く効果があったとしても打ち消されてしまいお客様を逃してしまいます。
環境を整えてベストな状態でお客様を迎えるのは、最低限の「お店のマナー」であり
店舗存続への第一歩ともいえるでしょう。
注意すべきPOINT
1.加圧時に空気が温められてしまいます。(+3~5度↑)
2.ポンプに冷却装置が無ければ、ポンプが熱を持ち更に温度が上昇します。(+1~2度↑)
3.血行が促進される為、お客様も体温上昇する為、通常より「暑く感じる」状態になっている(+1度↑)
4.カプセルに入る直前の状態によって、既に体温が上昇している状態なら(+1度↑)
結果カプセル内は4~7度、体感として6~10度程の温度上昇があり『暖房』を入れている状態です。
酸素カプセルは運転時に窓を開ける事が出来ません。
真夏に『クーラーがない窓を閉め切ったタクシーに1時間乗った場合』 、次回もあなたはそのタクシーに乗るでしょうか?
新規のお客様に失敗は許されません。感想は?「えーと、気持ちよかったです」と中々、クレームも言ってくれるお客様もいません。お友達のご紹介も無く、二度足を運んで頂け無いことでしょう。酸素カプセルは必ず「暑さ」対策をしましょう。